精度の追究その2(型をとるその前に)

今日は歯を全周削り、かぶせ物を作る時について。

型取りにつきましては、以前こだわりを少し書かせていただきましたが、歯を削り終わり、型取りをするまでにも、湘南つばめ歯科ではひと手間加えます。

特に前歯できれいに見せたい場合などで、歯ぐきの少し中まで歯を削ったときになど、歯の削った境目と歯茎の位置を鮮明にする必要があります。(意味がよくわからないかもしれませんが、この後の図を見ていただくと何となくわかっていただけるかと思います)

ここの境目がはっきりしていないと、かぶせ物を作ってくれる技工士さんが、かぶせ物の立ち上げをどこから作っていいかわからず、歯ぐきの上から立ち上がるかぶせ物になってしまったり、歯とかぶせ物の間に段差が出来たりと、合いの悪いかぶせ物ができてしまいます。

合いが悪いと、中に汚れが入ってしまいむし歯になったり、かぶせ物が取れたりする原因になります。

そこで行うのは「歯肉圧排」(しにくあっぱい)です。

削った歯と歯茎の境目に糸を入れます。
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歯ぐきの溝が浅い方の場合、歯と歯茎の境に糸を入れ、しばらく待ち、型を取る直前に糸を外し、型取りの材料を流し込みます。

歯ぐきの底部まで糸を入れると全て歯ぐきの中に隠れる場合、これを一次圧排として、歯ぐきからはみ出る様にもう一つ糸を巻きます。

これを二次圧排といいます。
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これでしばらく時間を置き、上に巻いた二次圧排の後だけ取り、直後に型取りをします。

圧排をすることで、歯と歯茎の境目がしっかり見える、技工士さんがかぶせ物を作りやすい模型が出来るのです。

湘南つばめ歯科にかかられてる患者様の中には私に「歯と歯茎の境に糸を入れますねー」と言われたことがある患者様も多いと思いますが、このようなことを行っているんです。

この圧排、保険治療の場合、行っても、行わなくても患者様が払う費用はかわりません。(ただ、材料代や技術料が発生するものだと思うのでそれはおかしいと思うのですが・・・)

ですので特殊な糸の材料代や手間もありますから、正直保険診療で圧排をやっているところってそんなに多くないと思います。

もちろん保険診療にかけられる手間やコストには限界があります。

その限界を超えるためには患者様にもご理解いただいて、自由診療で行わなくてはならない場合もあります。

しかしこの圧排はコストも知れてますし、慣れればそんなに手間もかかりません。

湘南つばめ歯科では保険であっても、詰め物であっても、必要があれば全て圧排は行います。

何度も言いますが、すべてはお口の中=模型のために。

湘南つばめ歯科
院長 松崎 等

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