もう数か月で、私が歯科医になって14年目なります。
今回は少しぶっちゃけたお話を。
私は大学を卒業してすぐに、大学病院の歯内療法科というとこに残りました
大学病院に勤務しながら、開業医の先生の医院で勤務させていただき、技術はもちろん、歯科医師としての心構えを勉強させていただきました。
すぐに実感したのは、何もできないこと。
大学では、座学はもちろん、実習などで、技術的なことを勉強しますが、本当に基礎の基礎しか行いません。
そんな中、当時私の拙い診療を受けただいた方からも診療の報酬はいただました。
卒後してすぐ、大学病院で出る給与。
月2万円だったと思います。
それに外勤を足したのが月給です。
もちろん生活は苦しいので、恥ずかしながら、親に仕送りもしてもらい、私自身も外勤は2日行き、大学病院と合わせ週6日仕事をしてました。
医療って物を売るというよりは、技術を提供する仕事です。
日本の国民皆保険制度では、大学を卒業してすぐの先生の治療でも、技術的にトップクラスの先生でも、患者様が払う報酬は同じです。
であれば、だれだって当然技術的に優れた先生に診てもらいたいと思います。
卒後1年経とうかというある日、卒後すぐ勤務していた先生に、初めて勉強会に連れて行ってもらいました。
そこには勉強熱心な先生方がたくさん。
発表される先生の素晴らしい症例発表に驚きました。
私も少しでもああいう治療ができたら、という意識が芽生え、決定的なことが起こりました。
今から10年近く前でしょうか、ある勤務先でのこと。
私はある若い女性の方を担当することになり、治療計画を立て、治療を進め、患者様もキャンセルすることなく、真面目に通っていただきました。
親知らずの抜歯なども含め、ようやくすべての治療が終わり、次回は定期検診でいらしてくださいとお伝えし、待合室に戻っていただきました。
そして私は診療後の片付けをし、次の診療の準備をしていました。
すると待合室から、先ほどの患者様が戻ってきました。
私は、あれ、忘れ物かなと思っていると、患者様が私に言いました。
「私は今まで、歯医者が怖くて治療をいつも途中で逃げ出してました。でも先生に優しく接してただいたので初めて最後まで治療を受けることができました。先生に出会えてよかったです。ありがとうございました。」
思いがけない言葉に私は呆然とし、いや、とか、とんでもないですとかあまり返答もできず、トイレに行きうれし涙を流しました。
私はその時に、私の治療、技術に対して、患者様から頂いた報酬ならば、その報酬で技術を高めなければ駄目だということを痛烈に自覚しました。
本当にどんなものにも変え難い言葉で、私の意識を変えていただいたその患者様には感謝です。
それからは、様々な分野の研修会に行きました。
最初のころはお金がないですから、講演会を聞きに行ったり、1日の実習を受けたり。
そこで得たものを患者様に還元して報酬をいただき、数年後には半年コースの研修会へ。
毎年いくつもの研修会で、様々な先生方に指導していただき、自分の中で少しづつ武器を身に付けてきました。
まだまだ足りないところがありすぎますし、この仕事をしてる以上、一生勉強しなければなりません。
ただ今年は、私の中で大きな決定をしました。
実は4月より毎年参加させていただいている、年間コースの研修会が始まります。
去年9月に湘南つばめ歯科が誕生し半年、多くの患者様に来ていただき、特に週末は、週末しか来院できない患者様が多く来院されます。
今私が研修会に出ることで、へたすると3週間待ちになってしまう患者様もでてしまう可能性があり、かなり迷ったのですが、今年は大きな研修会への参加は見送ることにしました。
その分、治療に励んでいきたいと思います。
来年以降研修会に復活しようかなと。
そして先月、今年衛生士学校を卒業予定で、うちに面接にきてくれた学生さんがいました。
私は、うちの治療に対する姿勢やこだわりなどをお話し、実際に診療を見ていただきました。
ただ彼女は複数の医院を見学し、これからもされるとのことだったので、正直開院して間もなく、少人数で行っているうちには来てくれないかなと思っていましたが、先日当院に就職することが決まりました。
私としても、責任重大で、来ていただいてからどのように教えてあげればいいのか考え、資料を作っています。
非常勤の衛生士さんも入り、今まで以上に良い医療が提供出来る様になると思います。
私も含めスタッフ一同、患者様に満足いただけるよう、努力を続けていきます。
湘南つばめ歯科
院長 松崎 等
私が今までに当たった別の病院の先生は、頻繁に痛そうな表情を見せると嫌な顔をしたりする方や、毎回十分な説明をせずに進めたりする方が多かったですが、先生は患者さんが痛みを感じないよう丁寧に治療して下さるし、説明も十分して下さるので凄いなって思いますね。
今はネットで口コミとか評判はすぐ広がりますので、先生の高い技術で患者に貢献するやり方は、長い目で見たら先生ご自身が得をするんじゃないかと思います^_^
コメントありがとうございます。
すべては初心わするるべからず。
常に必死に頑張ります!