治療例:むし歯治療(ダイレクトボンディング)

歯科の治療は多岐にわたります。

ただ実際治療を受けている患者様は常にお口の中を自身で見ながら治療を受けているわけではありませんし、いくら説明を受けても緊張している歯科医院の中です。

説明をすべて理解し、それをずっと覚えているわけではないと思います。

今回から少しづつではありますが治療例を紹介しつつ、少しでも歯科治療ってこんなものなんだということをご理解いただければと思っております。

今回はむし歯治療の中の「ダイレクトボンディング」という治療についてです。

むし歯ができた場合、神経に到達するような大きなむし歯でなければ、通常はすべて取り除きそこを補う治療を行います。

むし歯を取り除いた後の穴の大きさ、またその場所、かみ合わせの強さなどによって修復方法は変わりますが、それほど大きな問題がないようであればCR・コンポジットレジンという白い詰め物で治していきます。

このレジンでの治療は保険適応で白くできる大きなメリットがありますが、その他にダイレクトボンディングとよばれる治療法があります。

これは多種類のレジンを組み合わせ、通常より細かい磨きをかけることで、より見た目もきれいに、そして修復部位の色つやの劣化を極力抑えることができます。

実際の治療例をご紹介します。

術前、術後の写真しかのせていないので、少し説明を加えてみます。

今回のケースはレントゲンで金属の詰め物の下にむし歯がみつかったため、患者様との相談の結果ダイレクトボンディングで治療したものです。

まずは通常通り金属の詰め物を外すとやはりむし歯がありました。

下の写真の左側右から2本目の歯の茶色い部分がむし歯です。

術前DSC_0841

ここでむし歯を取り切ります。

水分があるとレジンと歯の接着が弱くなるため、ダイレクトボンディングの場合はラバーダムのいうゴムのマスクを歯引っ掛け、呼気に含まれる水分を触れさせないようにします。

その後数種類のレジンを盛ります。

そして光を当てて固めるんですが、空気と触れている部分のレジンは未重合とよばれる状態になり、この部分が詰め物の強度を落としたり、変色する原因になったりと、あまりあってほしくない場所になります。

なのでレジンを固める前に空気を遮断する薬を置き光で固め、極力未重合の部分をなくします。

その後専用の器具を使い磨きをかけます。
下の写真が修復あとの写真です。

術後2DSC_0865

ただレジンは金属やセラミックと比べると強度は落ちますので、縁の部分が0.数ミリとかでも欠けて放置すると汚れが付き黒く着色します。

ですのでダイレクトボンディングを行った患者様の歯は、検診時にチェックし、必要があれば磨きをかけます。

このように手入れをしていくことで、長期にわたりほぼ変色もなく保存することができます。

ダイレクトボンディングの利点は、セラミック治療に比べ安価で白く、精度の高い治療を受けれるところにあります。

湘南つばめ歯科
院長 松崎 等

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